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絶滅危惧種のカッコソウ@鳴神山

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山歩きが面白くなってきて、どこへ登ろうかと色々調べているうちに、群馬県の桐生市にある鳴神山にカッコソウという世界中でここにしか生育していない山野草があることを知りました。絶滅に瀕しているため、保護されているということです。これは早いうちに見に行かなければと焦りを感じ、5月12日(日)に出掛けてきました。
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鳴神山には、カッコソウを保護するため、2か所の保護地があります。
一つは南側の肩の広場の直下、もう一つは北側の裏の肩の直下です。
この写真は、裏の肩の保護地の状況を撮影したものですが、スギ林の斜面一面にカッコソウが花を咲かせていました。
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鳴神山の山頂で、鳴神山愛する会のH会長とお知り合いになり、カッコソウについていろいろと教えていただくことができました。そして、この裏の肩の保護地に案内してもらった時、50年前からここでカッコソウを移植して保護活動をやってきたFさんを紹介していただきました。Fさんは80歳になるということですが、とてもお若くて現役バリバリの活動をされています。
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Fさんから聞いたところでは、カッコソウは鳴神山の半径1.5キロくらいの範囲でしか見ることができない植物であることを教えていただきました。そして、その繁殖は種ではなく、根で増えていくということを教えていただきました。
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Fさんが子供の頃は、普通に沢山見られた山野草であるようですが、今ではめっきり数が減ってしまい、この保護地にほかにほんのわずかに残っているだけであるとのことです。
根を掘り出して移植するわけですが、その方法と移植の時期が分からず何年も時間を要したそうです。
その結果、11月頃に爪楊枝程度の根を掘り出して移植するのが確実に繁殖させることができる方法であったようです。
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H会長やFさんの弛まぬ努力の成果で、私たちは今ここでカッコソウを見ることができる訳ですから、大いに感謝申し上げなければなりません。
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カッコソウはサクラソウ科の山野草です。葉は広円形で直径が5cm以上あります。花茎は長く、葉柄とともに白い毛が密生しています。
図鑑によれば、花冠は紅紫色で花喉部は濃赤褐色とされています。でも、ここで観察したものは、色が淡いものから濃いものまで、3種類ありました。Fさんによれば、この花の色が昔からここにあったものであるようです。
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この鳴神山のカッコソウが絶滅することがないよう、愛する会では有料でバッチを頒布しています。そのお金が保護活動に生かされるということですので、後世まで残ってくれることを願い、購入させていただきました。
by coffeeto2 | 2013-05-25 19:46 | 山野草
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