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猿倉~白馬山荘の高山植物:その2@白馬三山

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白馬岳の登山口のひとつである猿倉から歩き始めて、白馬山荘に至る間に観察した植物を紹介しています。前回その1では、登山口から白馬大雪渓を登った辺りまでに観察した高山植物について紹介しましたが、今回はその2ということで、大雪渓を過ぎてお花畑に至るまでの間に観察した高山植物を、撮影した順番に紹介したいと思います。
まず最初は、ゴロゴロしていた岩の隙間に、綺麗な黄色い花を咲かせていたイワオトギリの花です。同じ仲間のシナノオトギリは、葉の縁に黒点がありますが、このイワオトギリにはそれがほとんど目立ちません。
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登山道のガレた岩場には、このタデの仲間がたくさんありました。現地では、オンタデとばかり思っていたのですが、図鑑で確認すると、「白馬岳にはウラジロタデだけがある。」 と記載されていました。したがって、これもウラジロタデであろうと思います。
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これは、初めて観察する高山植物ですが、カラマツソウの仲間のオオカラマツだと思います。オオカラマツは亜高山帯から高山帯の乾いた草地や岩場に生育すると解説されていました。
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オオカラマツの花をよく見ると、花弁がありません。萼片から直接、花糸が垂れ下がっています。そして、その先端が雄しべの葯になっているようです。葉の形は、普通のカラマツソウの葉によく似ています。
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汗をかきながら岩場を登っていると、この黄色いタンポポによく似た花がたくさんありました。花の下の総苞は黒褐色で、ここに剛毛が密生しています。平地では見ることもないタンポポの仲間ですが、図鑑で確認したところ、キク科のカンチコウゾリナであることが分かりました。
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いよいよ、白馬岳のお花畑に入ってきました。ここで青紫色の花を咲かせていたのは、その根に猛毒があることで知られている、トリカブトの仲間です。種類がいろいろありますが、葉の形と模様を参考に、観察した場所の状況を考え合わせると、タカネトリカブトになると思います。
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この黄色い花も、お花畑とその周辺のあちらこちらで観察することができました。キク科のミヤマアキノキリンソウです。高山帯の草地に生える多年草ということで、平地によく見られるアキノキリンソウに比べると、頭花が大き目でであるところが特徴になるようです。
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岩場に見つけた、ミヤマオダマキの爽やかな花姿です。低山で観察するヤマオダマキは、赤紫色だったり、黄花であったりしますが、高山で見るミヤマオダマキは、青紫色と白色の花弁のコラボが、何とも言えない雰囲気を醸し出していて、清涼感があります。
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お花畑の草叢の中に、ウスユキソウの仲間を見つけました。この仲間にはミネウスユキソウ、ミヤマウスユキソウ、ただのウスユキソウなどたくさんの種類があって、識別が大変難しいと思います。
でも、図鑑の写真と見比べると、ミネウスユキソウが一番似ているように思えました。
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岩の割れ目から、しっかりと花を咲かせていたのは、ミヤマアカバナであると思います。この仲間にも、やや小さいヒメアカバナ、大きくなるイワアカバナなどがありますが、葉の形と花の様子から、ミヤマアカバナであろうと判定しました。
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白馬岳のお花畑の中で、オレンジ色の鮮やかな彩りを添えていたクルマユリです。亜高山帯から高山帯に掛けて生育する、ユリ科の高山植物です。
この辺りでは、シモツケソウやハクザイチゲなどの白い花と、シナノキンバイやミヤマキンポウゲなどの黄色い花とともに、見事な群落を形成していました。
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遠景に、北アルプスの山並みが写り込んでくれました。夏山の雰囲気が、少しは伝わるでしょうか?
クルマユリは、よく似たコオニユリと違って、茎にたくさんの葉が輪生するところが特徴です。左側に写っている蕾だけのコオニユリの根元付近には、その輪生した葉が写っています。
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この花も、お花畑の周辺で撮影していますから、標高は2,500m以上の場所です。私が持っている、山渓ハンディ図鑑8「高山に咲く花」には掲載されていませんでした。なかなか種類が特定できずに困りましたが、いろいろ調べてやっと、「野に咲く花」に掲載されていた、シロヨメナであることに行き着いたわけです。
何だシロヨメナか......分かれば何のことはありませんが、平地から高山まで、生育環境がずいぶん広いですね。これも、今回実体験することができた驚きの一つです。
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さて、この花も今回初めて観察した種類です。お花畑の中を歩いていると、兎に角分からない種類が次から次へと出てきます。それで、取り敢えず撮影して後から確認しようと、写真の枚数だけがいたずらに増えてしまいました。後日、図鑑と首っ引きで調べて、どうやらヒメクワガタであろうと判定するに至りました。
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この花も、今回初めて観察した種類です。雄しべと雌しべがとても長く突き出しています。クワガタソウの仲間であろうことは、容易に想像できました。
この特徴的な花姿から、図鑑を調べてみると、ミヤマクワガタであることが直ぐに分かりました。
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彩りの美しいこの花の群落を見つけた時、まるで宝石箱をひっくり返した様であると思いました。白い花弁が5枚あって、下の2枚が特に長いですから、ダイモンジソウの仲間であろうことは分かりました。でも、平地で見るものと一味違います。図鑑を調べてミヤマダイモンジソウであることが分かりました。
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ミヤマダイモンジソウは、白い花弁が大の字を形作っていますが、花弁の長さは不揃いです。花の中央部の花盤と呼ばれる部分は黄色いと解説されていましたが、中には橙色のものから赤色のものまで、バリエーションがあるのが分かります。
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by coffeeto2 | 2013-08-29 18:00 | 高山植物

猿倉~白馬山荘の高山植物:その1@白馬三山

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山の仲間と誘い合わせて、白馬三山の縦走に出掛けたのが、8月10日(土)〜12日(月)に掛けてのことでした。今回のお目当ては、爽やかな夏山を満喫することと、たくさんの高山植物を見て来ることにあったのですが、あわよくばライチョウにも出会いたいと、密かな願いを抱いていました。
前夜にメンバーの車で都内を出発し、夜明け前に登山口の猿倉に着きました。薄暗いうちから登り始める登山者もいましたが、我々は明るくなるまで車内で仮眠をとり、午前6時過ぎにスタートしました。
3日間を通して、ガスに巻かれる時間帯もありましたが、白馬岳と鑓温泉でご来光を仰ぐことができたほか、私自身が驚くほどたくさんの高山植物の写真が撮れましたから、大変満足できる結果となりました。
そんな状況を、このブログでどのように紹介しようかと悩みましたが、あまり考えずに、撮影した順番に並べることにしました。
そんな訳で、まず最初はヤマブキショウマです。猿倉の登山口からすぐのところで撮影しました。立派な花穂が重いのでしょうか、花茎では支えきれず、頭を垂れています。
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これは、キキョウ科のソバナの花です。白馬岳への登山道は、猿倉荘の脇からスタートするのですが、直ぐに林道と合流します。歩き始めると、その林道脇にいくつかの山野草を観察することができました。まだ標高がそんなに高くない場所ですから、高山植物とは言いにくいのですが、このソバナの花も、そこに咲いていたものです。
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林道を彩っていた山野草のひとつに、このタマガワホトトギスもありました。花被片が黄色味を帯びていて、紫褐色の細かい斑があります。
普通のホトトギスの仲間は、ピンク色を帯びた色合いをしていますから、ちょっと異なります。
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これもやはり林道に沿った場所に咲いていた、見事なオオウバユリです。同じ仲間のウバユリに比べると、ずっとたくさんの花をつけていて、とても豪華に見えます。群生していましたから、余計立派に見えました。
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林道の終点を過ぎて、白馬尻小屋へと続く登山道に差し掛かってきました。白馬岳の花畑は、たくさんの高山植物を観察できることでつとに有名ですが、このあたりの登山道の脇でも、色々な高山植物を見ることができます。これは、大きくてよく目立つキヌガサソウです。葉を広げた直径は50cmくらいはあるでしょう。花の大きさも7~8cmほどはありそうです。3年前にチョコちゃんを連れて(内緒!)ここを歩いたときに、初めて見たのですが、立派な花の大きさに驚いてしまいました。
当時は、ペット進入禁止であることは知りませんでした。小屋まで行って叱られてしまったことが、懐かしく思い出されます。
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こちらは、ユキノシタ科のズダヤクシュです。喘息薬種という漢字が当てられていますが、その昔喘息の治療薬として用いられていたことから、この名前が付けられたと聞いています。長野県の方言で、喘息のことをズダと言うのだそうです。
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茎の上部に白い花を散房状に付けていたミヤマカラマツです。白い雄しべの花糸が、唐松の葉のように見えるところからこの名前が付けられています。キンポウゲ科に属しますが、同じ仲間のカラマツソウは、この花糸が細く、葉の先端が丸みを帯びているのに対し、ミヤマカラマツの花糸は太く、葉の先端が尖っているところが識別ポイントです。
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黄色い花を咲かせているスミレの仲間もいました。葉の形がシソの葉に似ているところから、オオバキスミレという名前が付けられていると思います。スミレの仲間ですが、ほかのスミレと違って、距と呼ばれる花の後ろの部分がほとんど認められません。この写真では、そんな様子がよく分かりませんが、悪しからず.....
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大きな葉を広げている割には、花が控えめなサンカヨウです。白い花弁は6枚あり、中心部に薄緑色の雌しべと、黄色い雄しべが可愛らしく集まっています。メギ科に属する高山植物で、花期は5~7月とされていますが、ここ白馬尻周辺では、雪解けの頃から次々と花を咲かせているようです。もう8月になっていますが、未だに花が見られるわけですから、ちょっと得をした気分です。
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こちらも、葉っぱの大きさに比べて、控えめな花を咲かせていたエンレイソウです。花の色が黒紫褐色をしていますから、余計に控えめに感じてしまいます。東京周辺では、春先に咲く花のイメージが強いのですが、白馬では8月になっても花が見られます。
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これは、大雪渓を登り詰めた辺りで撮影したと思います。頭頂部に4枚の花弁をいくつも付けていたヤマガラシです。花の高さは20~30cmくらいだったと思います。6月初旬に、あしだち(足立・自然にふれあう会)のメンバーを誘って入笠山に登ってきましたが、その時には60~70cmくらいの背の高いヤマガラシの群落を見てきました。図鑑を見ていたら、ハルザキヤマガラシという別種があることを知りました。解説されていた特徴から、あれはハルザキヤマガラシであったんだと思い至りました。
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白馬尻の下の登山道でも、大雪渓より上の登山道でも観察することができたミソガワソウです。シソ科に属する山野草ですが、低山から高山まで、湿った場所に群生するということです。私が持っている山渓ハンディ図鑑では、「山に咲く花」 にも 「高山に咲く花」 にも、どちらにも収録されていました。
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このハクサンフウロも、低い場所から高い場所まで、幅広い山域で観察することができました。今回観察した印象では、7月に奥日光の戦場ヶ原で見たハクサンフウロより、花の直径が大きく、花色もより濃いように感じました。
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by coffeeto2 | 2013-08-28 18:00 | 山野草

オヤマノエンドウ@八ヶ岳

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八ヶ岳では天候には恵まれませんでしたが、とてもたくさんの高山植物と出会うことができましたから、私にはとても大きな収穫がありました。
このオヤマノエンドウも、初めて観察することができた高山植物のひとつです。八ヶ岳や北アルプスなどの本州中部の山岳にしか分布しないようですから、今回見ることができたのは貴重な経験であったと思います。
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マメ科のエンドウの仲間は、浜辺から高山までいたるところで観察することができると思います。海岸で生育するハマエンドウなどは葉が丸いのが特徴ですが、このオヤマノエンドウは葉が細くて先がとがっています。これも高山で生育する植物が、生き残るために進化した結果になると思います。
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オヤマノエンドウは、高さが5〜10cmほどしかない小型の多年草ですが、茎が木化して半低木になります。日本固有の植物の一つであるようで、高山帯の岩礫地や乾いた草地に生えるということです。このような岩の隙間でもしっかりと根を張っていました。
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今回は、7月6〜7日にかけて登ってきたのですが、花期は6月の梅雨時くらいがら始まるようです。この花は少し痛みの出ているようで、既に最盛期を過ぎて、花の終盤になっているようです。
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この辺り一帯を、チョウノスケソウの小判形をした小さい葉がびっしり覆い尽くしていますが、そんな中でもオヤマノエンドウは負けじと花を咲かせていました。
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by coffeeto2 | 2013-07-17 20:22 | 山野草

本白根山の花たち

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本白根山では、既に紹介したコマクサのほかベニバナイチヤクソウやアカモノなどが観察できましたが、登山道のいたるところで観察できたのが、この可憐な花をつけたマイヅルソウです。花の後につける小さな実は熟すと赤くなります。
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7月6日に足を運びましたが、本白根山は標高が高いこともあって、東京周辺の山では5月に咲くイワカガミが、この時期でもたくさん咲いていました。下に咲いている白い花はミツバオウレンです。
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こちらはゴゼンタチバナの群生になりす。4枚の白い花びらのように見える部分は総苞になるとのことです。
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これは初めて観察する花ですから、自信はありませんが、ミヤマニガイチゴになると思われます。もし、間違っていたら教えてください。
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こちらは花弁が7枚のツマトリソウです。花弁の先に円みがあります。
妻から名前を聞かれてツマトリソウだと教えてやると、「妻を娶る花なの?」と聞かれましたが、実はふち(つま)が紅く染まるつまどりがある花が多く観察されることからこの名前が付いたとのことです。
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こちらは同じツマトリソウですが、花弁が6枚で、花弁の先が尖っているところが異なります。
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山頂近くの砂礫地帯に咲いていたオミナエシ科のコキンレイカです。まだ黄色い蕾が膨らんだ開花する直前の状況ですが、残念ながら花開いた状態のものは撮影できませんでした。
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最後はワタスゲです。カヤツリグサ科に属しますが、このように群落になって花を咲かせます。この群落は、ロープウェイの山頂駅のすぐ近くにありました。
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by coffeeto2 | 2011-07-12 22:11 | 山野草