カテゴリ:山野草( 459 )

ヤブランとツルボ@三毳山

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山野草を観察しながら三毳山を歩くんだったら、春先が一番のベストシーズンだと思います。フクジュソウやカタクリを始め、シュンランからアズマイチゲ、キクザキイチゲなどなど、たくさんの花が見られます。
でも、初秋のこの時期も暑ささえ我慢できれば、それなりにたくさんの山野草にお目に掛れますし、また前回紹介したように、チョウの仲間もたくさん観察することができますから、結構楽しめるロケーションです。
これは、山の中の散策路脇に咲いていた、ヤブランの花をアップで撮影したものですが、花茎に沿って、たくさんの薄紫色の花が総状に咲きます。黄白色の雄しべが太いですが、全体的にパステルカラーの彩りが良いですね。
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ヤブランは、街中の公園でもその姿を見ることができますが、ここでは自然のままの姿で花穂を立てていました。ランという名前が付いていますが、ユリ科に属する山野草で、花を咲かせた後は黒くて光沢のある種子をたくさんつけます。
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園内を散策していると、草原の中にヤブランと同じように薄紫色の花穂を立てていた、可愛い花を見つけました。これもユリ科に属するツルボです。こちらも雄しべの先が黄白色ですから、ヤブランと同じようなパステルカラーの色合いです。
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ツルボの花が手のひらを広げるように、星形の花弁を一杯に咲かせていました。....とそこへ、これまた小さいアブの仲間が吸蜜のために飛んできました。腹部の縞模様の色合いから、ホソヒラタアブであろうと思います。
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野草園のウッドデッキを散策していたら、すぐ脇の草むらに、なかなか賑やかなツルボの群落がありました。この場所は、春先にはアズマイチゲなどが花を咲かせているところですが、今の時期はこのツルボが彩りを添えてくれました。
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by coffeeto2 | 2013-09-18 06:00 | 山野草

アキノノゲシとセンニンソウ@三毳山

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三毳山の青竜ヶ岳(標高229m)に登ったところ、山頂は期待するほどの場所ではなく、尾根道の一番高いところといった感じの場所でした。電波塔の施設があって、その脇にこの山頂の標識が立っていました。
期待はしていなかったものの、退院後の足慣らしということで、暑い時期の低山歩きを選んだのですが、ここに登るだけで結構汗だくになりました。本格的な山歩きには、もう少しトレーニングを積んでおく必要がありそうです。
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その青竜ヶ岳の山頂付近で、一株だけ花を咲かせている山野草を見つけました。キク科に属するアキノノゲシです。花弁の色は、薄いクリーム色をしていますが、花の終わった果実は先が細くとがった独特の円錐状をしています。
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花の直径は大体2cmくらいです。総苞には、鱗のような重なりがあるのが分かります。
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この株は、上の方は既に花が終わって、下の方に花が付いています。根元の葉は長さ20cm以上あり、アザミのように羽状に裂けています。
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センニンソウの群生がありました。一つ一つの花は小さいのですが、たくさんの花が集まって咲きますから、遠くからでもよく目立ちます。
キンポウゲ科に属しますが、同じ仲間のボタンヅルは葉に鋸歯があってボタンの葉のような形をしていますが、センニンソウの葉には鋸歯がありません。
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このセンニンソウの花に、ヒラタアブの仲間がいくつも吸蜜に集まっていました。撮影した時は、ホソヒラタアブと思っていたのですが、よく見ると腹部の縞模様がホソヒラタアブとはちょっと違いました。
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by coffeeto2 | 2013-09-15 20:00 | 山野草

ミソハギとトックリバチ@三毳山

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退院後の体力回復と、山歩き再開へのトレーニングも兼ねて、三毳山へ行ってきました。東北自動車道の佐野藤岡インターのすぐ近くにありますから、車を利用すれば我が家から1時間ほどで行くことができます。
近くてお手頃な場所なのですが、今の時期はまだまだ暑いですね。三脚に乗せたカメラを担ぎながら、青竜ヶ岳(標高229m)と中岳(標高210m)に登り、園内をグルッと散策してきたのですが、木陰を歩いているのに汗びっしょりです。
春先はカタクリをはじめ、たくさんの山野草が眼を楽しませてくれるのですが、今の時期は暑いばかりで花の方はあまり期待できません。そんな中でも、このミソハギの紅紫色の花が目につきました。
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ふと気が付くと、このミソハギの花にハチの仲間が飛来して、吸蜜を始めました。前胸部と腹部の間が細くくびれた、独特の形です。
後刻、昆虫図鑑で調べてみると、ドロバチ科のトックリバチのようです。
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トックリバチは全長15㎜くらいで、全身黒色ですが前胸部の前部と腹部の接合部分に、黄色い独特の斑紋があります。それにしてもこの胴のくびれは独特のスタイルですから、これが名前の由来かと思ったのですが、そうではなくて、徳利型の巣を作るところからトックリバチの名前が付けられたようです。
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by coffeeto2 | 2013-09-14 09:00 | 山野草

シラヤマギクかな?@三毳山

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8月に山の仲間と白馬岳の縦走をしてきましたが、その後、入院して手術を受けることになりました。経過は良好で元気に動き回ることができますから、次の山行に備えて、我が家から車で1時間ほどのところにある三毳山へ、足慣らしに出掛けてきました。
まだまだ残暑が厳しいこの時期は、山野草もめっきり少なくなっていましたが、このシラヤマギク?と思われる花が咲いていました。
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シラヤマギクは、キク科に属する花になりますが、白い花弁の数はちょっと少ないような感じです。
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このシラヤマギクに飛来して、吸蜜しているアブの仲間がいました。腹部は黄橙色と黒色の縞模様で、大きな複眼が赤茶色をしています。ハナアブ科のホソヒラタアブであると思いますが、かなりの個体数がここで吸蜜していました。この幼虫はアブラムシを食べて育つそうです。
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シラヤマギクの茎に留まっている青いバッタがいました。ヤマトフキバッタであると思います。ほとんど翅がありませんから、飛ぶことのできないバッタで、イナゴの仲間になると思います。
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シラヤマギクと思いますが、花の直径は2㎝前後です。高さは1~1.5m前後で草地のあちらこちらに花を咲かせていました。図鑑によれば、シラヤマギクの若菜はヨメナに対してムコナと呼ばれ、食用にすることがあると解説されていました。
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by coffeeto2 | 2013-09-11 22:40 | 山野草

猿倉~白馬山荘の高山植物:その1@白馬三山

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山の仲間と誘い合わせて、白馬三山の縦走に出掛けたのが、8月10日(土)〜12日(月)に掛けてのことでした。今回のお目当ては、爽やかな夏山を満喫することと、たくさんの高山植物を見て来ることにあったのですが、あわよくばライチョウにも出会いたいと、密かな願いを抱いていました。
前夜にメンバーの車で都内を出発し、夜明け前に登山口の猿倉に着きました。薄暗いうちから登り始める登山者もいましたが、我々は明るくなるまで車内で仮眠をとり、午前6時過ぎにスタートしました。
3日間を通して、ガスに巻かれる時間帯もありましたが、白馬岳と鑓温泉でご来光を仰ぐことができたほか、私自身が驚くほどたくさんの高山植物の写真が撮れましたから、大変満足できる結果となりました。
そんな状況を、このブログでどのように紹介しようかと悩みましたが、あまり考えずに、撮影した順番に並べることにしました。
そんな訳で、まず最初はヤマブキショウマです。猿倉の登山口からすぐのところで撮影しました。立派な花穂が重いのでしょうか、花茎では支えきれず、頭を垂れています。
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これは、キキョウ科のソバナの花です。白馬岳への登山道は、猿倉荘の脇からスタートするのですが、直ぐに林道と合流します。歩き始めると、その林道脇にいくつかの山野草を観察することができました。まだ標高がそんなに高くない場所ですから、高山植物とは言いにくいのですが、このソバナの花も、そこに咲いていたものです。
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林道を彩っていた山野草のひとつに、このタマガワホトトギスもありました。花被片が黄色味を帯びていて、紫褐色の細かい斑があります。
普通のホトトギスの仲間は、ピンク色を帯びた色合いをしていますから、ちょっと異なります。
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これもやはり林道に沿った場所に咲いていた、見事なオオウバユリです。同じ仲間のウバユリに比べると、ずっとたくさんの花をつけていて、とても豪華に見えます。群生していましたから、余計立派に見えました。
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林道の終点を過ぎて、白馬尻小屋へと続く登山道に差し掛かってきました。白馬岳の花畑は、たくさんの高山植物を観察できることでつとに有名ですが、このあたりの登山道の脇でも、色々な高山植物を見ることができます。これは、大きくてよく目立つキヌガサソウです。葉を広げた直径は50cmくらいはあるでしょう。花の大きさも7~8cmほどはありそうです。3年前にチョコちゃんを連れて(内緒!)ここを歩いたときに、初めて見たのですが、立派な花の大きさに驚いてしまいました。
当時は、ペット進入禁止であることは知りませんでした。小屋まで行って叱られてしまったことが、懐かしく思い出されます。
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こちらは、ユキノシタ科のズダヤクシュです。喘息薬種という漢字が当てられていますが、その昔喘息の治療薬として用いられていたことから、この名前が付けられたと聞いています。長野県の方言で、喘息のことをズダと言うのだそうです。
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茎の上部に白い花を散房状に付けていたミヤマカラマツです。白い雄しべの花糸が、唐松の葉のように見えるところからこの名前が付けられています。キンポウゲ科に属しますが、同じ仲間のカラマツソウは、この花糸が細く、葉の先端が丸みを帯びているのに対し、ミヤマカラマツの花糸は太く、葉の先端が尖っているところが識別ポイントです。
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黄色い花を咲かせているスミレの仲間もいました。葉の形がシソの葉に似ているところから、オオバキスミレという名前が付けられていると思います。スミレの仲間ですが、ほかのスミレと違って、距と呼ばれる花の後ろの部分がほとんど認められません。この写真では、そんな様子がよく分かりませんが、悪しからず.....
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大きな葉を広げている割には、花が控えめなサンカヨウです。白い花弁は6枚あり、中心部に薄緑色の雌しべと、黄色い雄しべが可愛らしく集まっています。メギ科に属する高山植物で、花期は5~7月とされていますが、ここ白馬尻周辺では、雪解けの頃から次々と花を咲かせているようです。もう8月になっていますが、未だに花が見られるわけですから、ちょっと得をした気分です。
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こちらも、葉っぱの大きさに比べて、控えめな花を咲かせていたエンレイソウです。花の色が黒紫褐色をしていますから、余計に控えめに感じてしまいます。東京周辺では、春先に咲く花のイメージが強いのですが、白馬では8月になっても花が見られます。
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これは、大雪渓を登り詰めた辺りで撮影したと思います。頭頂部に4枚の花弁をいくつも付けていたヤマガラシです。花の高さは20~30cmくらいだったと思います。6月初旬に、あしだち(足立・自然にふれあう会)のメンバーを誘って入笠山に登ってきましたが、その時には60~70cmくらいの背の高いヤマガラシの群落を見てきました。図鑑を見ていたら、ハルザキヤマガラシという別種があることを知りました。解説されていた特徴から、あれはハルザキヤマガラシであったんだと思い至りました。
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白馬尻の下の登山道でも、大雪渓より上の登山道でも観察することができたミソガワソウです。シソ科に属する山野草ですが、低山から高山まで、湿った場所に群生するということです。私が持っている山渓ハンディ図鑑では、「山に咲く花」 にも 「高山に咲く花」 にも、どちらにも収録されていました。
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このハクサンフウロも、低い場所から高い場所まで、幅広い山域で観察することができました。今回観察した印象では、7月に奥日光の戦場ヶ原で見たハクサンフウロより、花の直径が大きく、花色もより濃いように感じました。
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by coffeeto2 | 2013-08-28 18:00 | 山野草

夏休み~親海湿原にて@白馬

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白馬村に滞在した夏休みに続き、その次の週末は、山の仲間と白馬三山を縦走する予定が入っていました。だからその前に、何とか白馬三山の勇姿を撮影したいと思っていたのですが、残念ながら雨模様の天候が続き叶いません。ペンションのオーナーも、「去年の今頃は、雨なんか全く降りませんでした。」といぶかる様な陽気です。
嘆いても仕方がありません。チョコちゃんを連れて今日はどこへ行こうかと思案をめぐらせ、ペンションに置いてあったパンフレットなども参考にさせてもらって、さのさかスキー場に近い親海湿原へ行くことにしました。親海湿原と書いて「およみしつげん」と読みます。隣接する姫川源流部と合わせてグルッと一周できるよう、木道とチップ舗装歩道が整備されていますから、自然観察を兼ねてのんびり過ごすには、うってつけの場所になります。
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親海湿原の入口から見た風景です。山に囲まれた盆地状の湿原を取り囲むように、木道が整備されていますから、大変歩きやすく自然観察もしやすい環境です。
上の写真に写っている案内板の説明によれば、この湿原は流出入する河川のない隔絶した湿原であるようです。
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湿原の中は、たくさんの山野草で彩られていましたが、目を引いたのはこのサワギキョウです。5~60cmから高いものでは1mくらいの花茎を立てて、紫色の花をたくさん咲かせていますから、見応えがあります。
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サワギキョウは、名前の通りキキョウ科に属します。でも、花をアップで見ると、普通のキキョウのような形ではなく、3cmくらいの唇形をしていて、上唇はとても細く2分裂し、下唇は太めで3分裂しているのが分かります。
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湿原を彩る花の中で、一番個体数が多かったのは、このコオニユリだったと思います.....というか、花の最盛期に当たっただけなのかもしれませんが.....緑一面の湿原の中に、オレンジ色の花が彩りを添えていました。
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コオニユリは、山地の草原に生える多年草です。オニユリは人里に多いですから、その生育環境が異なります。花は少し小型ですが、たくさん集まって花を咲かせれば、その姿は見栄えがします。
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木道脇の低い場所には、赤紫色をしたツリフネソウがたくさん咲いています。この名前は、吊り下げられた小舟をイメージしての命名でしょうが、まるで、緑の海を泳ぐ金魚のように見えます。
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ツリフネソウの花は唇形をしていますが、距と呼ばれる花弁の後ろの部分が長く伸びて、おまけに先端はくるくると丸まっています。見れば見るほど、面白い形をしているものだなと思います。
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こちらは、すっきりした薄紫色の花をたくさんつけているコバギボウシです。ユリ科の山野草で、花を10~20個ほどつけます。同じ仲間のオオバギボウシは、30個以上もの花を付けますから、花茎が倒れがちになります。
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コバギボウシの花を、下から覗いてみました。花弁には濃い紫色の条線が数本あります。長い雄しべの先は湾曲するように持ち上がり、先端に黄色い葯が付いているのが分かります。
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玩具花火の松葉牡丹があちらこちらで弾けているように、球形の白い花序を広げているドクゼリの群落がありました。とても変化のある、面白い風景です。でも、このドクゼリはトリカブトと並び称されるくらいの猛毒植物だそうですから、不用意に手を出したりしないように気を付けましょう。
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ドクゼリの花をアップで撮影したものですが、見事な造形美です。
球形の花の塊を小散形花序と呼び、それがいくつか集まったものを複散形状と呼ぶようです。
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湿原の草の間に動くバッタの仲間を見つけました。全身は黒褐色ですが、側胸部に淡黄白色の目立つ縦斑があることから、ヒメギスであるとすぐに分かります。
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黄色い花も少数ですが見かけることができました。サクラソウ科のクサレダマです。名前を聞くと「腐れ玉」かと想像してしまいますが、マメ科の落葉低木であるレダマの花に似た野草であるところから、この名前が付けられたということです。
しかし、レダマを図鑑で調べてみると、確かに黄色い花を咲かせますが、形は蝶形ですから全然似ていませんね。
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夏の高原を彩る花の一つにシモツケソウがあります。長い茎の先端にピンク色がかった白色の小花を、多数散房状にたくさん咲かせます。
でも、ここでは群生することなく、ところどころに花茎を立てていました。
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このシモツケソウは、まだ花が開き始めたばかりで、周囲は蕾が膨らんだ状態です。中央部分から開花し始めたようで、細くて長い雄しべがたくさん出ているのが分かります。
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紅紫色の小さい花をたくさんつけているミソハギも、遠くから目立つ存在でした。株数はそんなに多くはありませんが、美しい花の色は湿原の中でも、見事に自己主張しています。
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ミソハギの花は、花弁が4枚のものから6枚のものまであります。ちょうどお盆の時期に咲くことから、昔から仏花として祭壇に供えることが多かったようです。
私の記憶の中では、蝶が吸蜜のために訪れることが多いですから、良いシャッターチャンスを作ってくれる花でもあります。
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by coffeeto2 | 2013-08-23 18:00 | 山野草

ユリの仲間@奥日光

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奥日光の戦場ヶ原は、赤沼茶屋から湯滝まで、自然観察路と呼ばれる木道が整備されています。したがって、野鳥を観察したり、山野草を観察するにも、この木道を利用するのが、一番間違いない経路になります。その観察路の途中には、青木橋と泉門池に椅子とテーブルが設置された休憩ポイントがありますが、この写真のバイケイソウの花は、その二つの休憩ポイントの間にある草原で観察したものです。
花の高さが1m以上ありましたから、草原の中ではひときわ眼を引く存在でした。
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奥にシラカバの樹林が見えますが、草原との境目あたりのところに、白い花穂を並べた、バイケイソウの小群落がありました。周囲には、イブキトラノオの白くて小さい花穂もたくさん観察できます。しかし、このバイケイソウの花はそれよりずっと大きくて、堂々としているように見えました。
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バイケイソウの花穂をアップで撮影したものですが、個々の花は直径が2cmほどで、茎に沿って円錐花序を形成しています。花弁は6枚あって白色ですが、その基部は緑色をしています。今回、バイケイソウについて調べているうちに、トリカブトに匹敵するほどの有毒植物であることを知りました。間違っても口にしないように注意しましょう。
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戦場ヶ原から小田代ヶ原を結ぶ散策路の脇の、日の当たらない林内で見つけました。とても大きな葉を持っていて、茎の上が膨らんできていますから、ウバユリであると思われます。これから花が咲くのでしょうが、同じ仲間のオオウバユリは、ウバユリに比べてよりたくさんの花をつけるということですから、この状態ではどちらになるのか分かりません。
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ここは湿った場所ですから、ウバユリが群生するには適地になるのでしょう。たくさんのウバユリが並んでいました。名前の由来を調べてみると、花期には葉が枯れているところを捉えて、歯がない姥になぞらえたようです。
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小田代ヶ原の草むらの中に、これから花開こうとしている紫色の細長い蕾が並んでいました。ギボウシの仲間のようですが、オオバギボウシは20~30個以上も花をつけるのに対し、コバギボウシは10個前後ですから、これはコバギボウシで間違いないと思います。
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こちらは、花開いているコバギボウシです。漏斗状の薄紫色した花が、爽やかさを感じさせてくれます。これも夏の高原を彩る花の仲間として、欠かせない存在です。
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ササの生い茂る林床に、オレンジ色の美しいユリの花が咲いていました。クルマユリです。花が小さいことからコオニユリとの識別が難しいと思いましたが、葉のつき方がクルマユリは車輪のように輪生しますから、これが確認できれば、ひと目で見分けることができます。
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クルマユリの花弁は、丸まるように強く反り返っています。花に留まっている蛾の仲間がいますが、おそらくキスジホソマダラであると思います。昨年、ハクサンフウロの花で吸蜜しているところを撮影し、このブログでも紹介しています。2012-07-24 の「鹿沢園地にて ~ その4」を参照してみてください。
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高原の定番、ニッコウキスゲです。私の持っている図鑑では、ゼンテイカ(禅庭花)として掲載されていて、ニッコウキスゲは別名とされています。どちらが正式名称になるのか、私も知りたいところです。
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by coffeeto2 | 2013-08-18 18:00 | 山野草

小田代ヶ原の花々@奥日光

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都会の喧騒から離れ、高原の清涼感にまったりと包まれて、野鳥や草花の観察をするのは、私にとって何物にも代え難い至福の時間です。
今回は、7月の三連休ということで、自宅からそんなに遠くなく、自然環境がよく残されていて、観察しやすい場所ということで、大変よい条件が揃っている奥日光へ足を運んだわけですが、それ以外にも山に登ったり、温泉に浸かったりと思う存分楽しんでくることができました。今回は、小田代ヶ原で観察した花を中心に紹介したいと思います。
この時期、戦場ヶ原にも小田代ヶ原にもシモツケソウの花が咲き始め、ピンク色の花の群落をたくさん観察することができましたが、この写真の花は、枝先に添って花穂を形成しているところから、ホザキシモツケと呼ばれています。
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シモツケソウの花は、茎の先に多数散房状に花をつけるとされていますが、このホザキシモツケの場合は、茎に添うように花の塊をつけています。一つ一つの花の大きさは5mm程度の小さいものですが、よく見ると雄しべがたくさん出ているのが分かります。
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こちらは、木道脇の林床に群生していたイヌゴマの花です。名前にゴマとついていますが、シソ科に属する山野草です。花の形を見ると、唇形をしていますからシソ科の花であることが頷けます。
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イヌゴマは、平地でも見ることができる花ですが、昨年は朝霧高原でもイヌゴマの群生を観察することができました。ここ奥日光でも群生しているところを見ると、ある程度の湿り気があれば、平地から山地まで広く分布しているものと思われます。
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青木橋の先から分岐路を左に分けてしばらく進むと、間もなく鹿除けのゲートを抜けて小田代ヶ原の草原が広がる場所に着きますが、木道に取り付いたところで、その両脇に点々と黄色い花が咲いていました。ツリフネソウ科のキツリフネです。
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キツリフネの花弁は3つに分かれています。その内側には赤褐色の小さい斑が覗いているのが分かります。この花も、湿り気の多い場所に群生します。まだ咲き始めたばかりであると思いますが、この辺りでは夏の盛りに向けて、たくさんのキツリフネが観察できるものと思います。
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小田代ヶ原の草原は、戦場ヶ原とあまり離れてはいませんが、周囲を森林に囲まれていて、ちょっと雰囲気が異なります。でも、ここで咲いている花たちには、そんなに違いはないと思います。これは、ハクサンフウロの群生です。可愛いピンク色の花がたくさん並んでいました。
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ハクサンフウロの花を一つ一つアップで撮影していたのですが、後から写真を整理してみると、みんな表情が違うことに気がつきました。
この花は、暗赤紫色の条線が濃く、花弁がかなり反り返っています。また、花柱を見ると全体が暗赤紫色に染まり、雄しべの先端の葯がはっきりと確認できません。これは、花の最盛期を過ぎた姿でしょうか?それとも単に個体差なのでしょうか?
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この花は、ハクサンフウロの中では、割合標準的な色合いをしていると思います。雄しべの葯が青紫色に膨らんでいることが分かります。また、花柱は少し赤紫色に染まっているようです。
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こちらの花は、かなり淡い色合いでした。花柱も上の二つの花よりも淡いピンク色で、雄しべの先の葯も淡色です。咲き始めたばかりの花なのか、それともこれも個体差であるのか、私には分かりません。
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小田代ヶ原と赤沼分岐を結ぶ散策路は、ほとんどが樹林帯の中にあって日陰なのですが、ここは日が指していました。そして、そこにヤマオダマキが花を咲かせていました。赤紫色に見える部分は萼片で、その内側に見える黄色い部分が花弁になるとのことです。
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ヤマオダマキの花弁を見ると、その基部は距となって上部に立ち上がっています。この姿が昔、麻糸を巻いた管の形に似ているところからオダマキ(苧環)の名前がつけられたとのことです。立ち上がった距の先に注目すると、小さい球状になっています。これも自然の造形美ですね。
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このヤマオダマキは、これから次々に花を咲かせるのでしょう。たくさんの蕾が開花の準備をしています。図鑑を見ると、ヤマオダマキの距が強く内側に巻き込まれているのがオオヤマオダマキであると解説されていますが、これはまっすぐ立ち上がっていますから、普通のヤマオダマキでよいと思います。そうすると、この上の写真の花は.....?
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白い綿毛をつけていたのは、言わずと知れたワタスゲです。カヤツリグサ科の山野草で、高層湿原ではしばしばその大群落を観察することができます。でも、この日はそんな綿毛を探しても、数えるほどしか見つかりませんでした。
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by coffeeto2 | 2013-08-16 18:00 | 山野草

キク科の花々@奥日光

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奥日光の戦場ヶ原は、標高1,400mほどもある高原です。7月の三連休に訪れたところ、あまり天気が良いとはいえませんでしたが、猛暑を逃れて涼しく歩くことができました。この日は、赤沼茶屋から戦場ヶ原に入り、木道を青木橋まで歩いたところで、その先の分岐路から小田代ヶ原へ足を向けることにしました。
戦場ヶ原と小田代ヶ原の間は、林床がササで覆われた樹林帯を縫うような散策路で結ばれています。その途中で、この小さくて黄色い花が集まって咲いているキクの仲間を見つけました。周辺のササより背が高いので、ひと際目立つ存在でした。花の大きさは、2cmにも満たない小さなものでした。キク科であるということは分かりましたから、自宅に戻って図鑑で調べてみると、どうやらサワギクであるようです。
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これは、サワギクの全体を撮影したものですが、葉に深い切れ込みがあるところが特徴であるようです。サワギクという名前がついていますが、沢沿いにだけ咲くのではなく、湿り気の多い場所に生育しているようです。
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これも、戦場ヶ原と小田代ヶ原の間の散策路を歩いているときに撮影したものですが、やはりキク科のシロニガナです。ニガナといえば黄色い花を連想するのですが、標高の高いところではこのシロニガナがよく目に付きます。
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このシロニガナには花が一つしか咲いていませんでしたが、元気が良いのはたくさんの花をつけていますから、これはちょっと寂しい花姿ですね。
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上のシロニガナと並ぶように、このニガナの黄色い花も目に付きました。花弁の数は5枚ですから、シロニガナと同じです。
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ほぼ同じ場所に咲いていましたが、こちらのニガナのほうが少し多めに花を咲かせていますから、少し元気があるように見えます。ニガナは、平地では春の野山を彩る山野草ですが、ここでは今の時期に花を咲かせていました。
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by coffeeto2 | 2013-08-15 18:00 | 山野草

ユリとアヤメの仲間@奥日光

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7月の三連休を利用して、奥日光へ自然観察に出かけてきましたが、戦場ヶ原から小田代ヶ原にかけて歩き回ると、たくさんの山野草を観察することができました。その中から、今回はユリとアヤメの仲間を紹介してみたいと思います。
これは、クルマユリです。小田代ヶ原の散策を終えて、赤沼茶屋の分岐方向へ戻る途中で撮影しました。現地では、オニユリかコオニユリか識別に多少の不安がありましたが、オニユリは花が大きく葉の付け根にムカゴがあるところが特徴となるようです。また、同じ仲間のコオニユリは花がより小型であるところが識別ポイントですね。
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花の中心に長く伸びる雌しべの周りには、花粉をたっぷりつけた雄しべが6本並んでいます。オレンジ色の花は、みどり一面の草原の中でとても目立つ存在でした。花弁には黒褐色の斑がありますが、この花の斑は比較的少ないように思います。
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こちらは、アヤメの仲間のノハナショウブです。花弁基部の中央に黄色い斑が出ているところが確認できれば、自信を持って識別できます。
イブキトラノオの白い花穂と一緒に咲いていたこの写真は、戦場ヶ原の木道を歩いているときに撮影したものです。
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こちらのノハナショウブは、小田代ヶ原の木道を歩いているときに撮影したものですが、ここではピンク色の可愛いハクサンフウロや、暗赤色の小さい花穂をつけたワレモコウとともに群落を作っていました。
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ノハナショウブの花の一番外側にある大きい花びらは、基部に黄色い斑があり、これが識別ポイントになりますが、この部分は萼片にあたるとのことで、本当の花びらは中央に立ち上がっている小さいものになるようです。
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黄色い花をたくさん咲かせていたユリの仲間は、もちろんニッコウキスゲです。これも小田代ヶ原で撮影しました。この花を抜きにして、夏の奥日光を語ることはできません。木道から少し離れたところに群落を作っていましたから、後姿ばかりで前から撮影できなかったのが残念です。
ゼンテイカ(禅庭花)という別名も持っていますが、どちらが本当の名前(種名)なのでしょうか?
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みどり一面の草原に、黄色いニッコウキスゲは夏の高原の風物詩として欠かすことができません。この花を見ると、子供の頃によく連れて行ってもらった霧が峰高原の、あの広い草原を埋め尽くしていた黄色い花畑が懐かしく思い出されます。
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by coffeeto2 | 2013-08-14 18:00 | 山野草