猿倉~白馬山荘の高山植物:その3@白馬三山

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先日、山の仲間と二泊三日の日程で、白馬三山を縦走してきましたが、その際、観察した高山植物を紹介しています。今回はその3として、初日に白馬岳のお花畑周辺で観察した高山植物をアップします。
お花畑といっても、とても広い範囲に広がっていますし、観察できる場所は登山道の両脇に限定されますから、とても全てを紹介することは出来ません……悪しからず……。
今まで、いろいろな場所で自然観察をしてきましたが、ここほどたくさんの花が見られた所は他にないと思います。山野草が好きな人は、是非一度行ってみて下さい。決して損は無いと思いますよ(*^_^*)
ところで、お花畑とその周辺の至るところで黄色い花がたくさん観察出来ました。でも、私にはその一つひとつの種類を特定するのが大変なことでした。ミヤマキンポウゲのほか、ミヤマキンバイ、シナノキンバイ、ミヤマダイコンソウ等々、似たような花がたくさんあるうえ、ニガナやコウゾリナの仲間も黄色い花ですから、現地ではもう個々の特定は諦めて、写真だけ残しておくことにしました。
……というわけで、まず最初は、この黄色い花です。写真を見ると、黄色い花弁(実は萼片です。)に金属光沢が認められることと、花や葉がシナノキンバイよりも小さめであったことなどから、ミヤマキンポウゲになると判定しました。
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次も黄色い花ですが、とても大きな葉を広げ、長い花茎の上にたくさんの花を総状につけています。ミヤマキンポウゲなどとは形状が全く異なりますから、一目見ただけでオタカラコウであることが分かりました。
同じ仲間のメタカラコウは、その生育地が亜高山帯までですが、オタカラコウは高山帯まで分布を広げています。
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これも、初めて観察する高山植物ですが、キク科のクロトウヒレンです。花の形がアザミの仲間に良く似ています。クロトウヒレンの一番の特徴は、葉柄の部分にある翼が茎の部分まで続いているところです。この写真でも、その様子が良く分かると思います。
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茎の先端に白くて4枚の花弁をつけた小さい花を、総状にたくさんつけているこの花は、アブラナ科のナズナの仲間であろうことは分かりました。図鑑を調べてみると、高山帯の開けた岩場に生える多年草ということでシロウマナズナが載っていました。ここ白馬岳に基準標本があるということですから、これもシロウマナズナで間違いないと思います。
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大きな岩がゴロゴロした険しい山道を登ると、岩場の影でふっくらしたイワベンケイの花が出迎えてくれました。ここで汗を拭いて一息入れます。
イワベンケイを始めとするベンケイソウの仲間は、多肉質の葉を持つ独特の形状をしています。頭頂部に黄色くて小さい花をたくさん咲かせますが、これは集散花序と呼ばれます。
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岩を覆いつくすような、草が生い茂った場所には、白くて小さい花を球状にたくさん集めたミヤマゼンコの花が咲いていました。このような形状を複散形花序というのだそうです。セリ科に属しますが、この仲間もシシウドやオオカサモチなど、同じような形状をしていますから、識別に悩みます。
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さて、こちらが私を悩ませてくれた、黄色い花のひとつであるシナノキンバイです……だと思います。冒頭に紹介したミヤマキンポウゲと同じキンポウゲ科に属しますが、花弁に光沢がないことと、葉の形状から判定しました。
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テガタチドリはラン科の高山植物です。この辺りには、そんなにたくさんはありませんが、所々で立派な花穂を立てていました。場所によっては、大群落が見られることもあるようです。
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これも、今回初めて見ることができたイワオウギです。名前からの連想で、漢字では岩扇と表示されるのかと思いましたが、図鑑で見ると岩黄耆と表記されていました。漢方薬として知られていて、黄耆(オウギ)の根を乾燥させたものが、利尿や強壮に効果があるようです。
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ヨツバシオガマのピンク色の花も、たくさん観察することができました。ゴマノハグサ科に属します。この仲間も、ミヤマシオガマ、タカネシオガマ、エゾシオガマなど種類がたくさんありますが、ヨツバシオガマは葉が羽状に深く切れ込み、3~4枚の葉が茎に輪生するところが特徴です。図鑑には、北アルプス南部以南に生育する、変種クチバシシオガマの写真が掲載されていましたが、花姿だけを見るとこちらに良く似ています。
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こちらは、ヨツバシオガマの小群落です。亜高山帯~高山帯の礫まじりの草地や岩場にかけて生育しているようです。
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このシオガマの仲間は、葉が羽状に深く切れ込んでいて、ヨツバシオガマの葉に良く似ていますが、花の下唇が深く3分裂している形状から、タカネシオガマであろうと思います。
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岩礫地に固まって咲いていたイワギキョウです。キキョウの仲間ですが、青紫色の花冠が細長い形状をしています。この辺りには、チシマギキョウも生育していて、両者は大変良く似ています。チシマギキョウの花冠の裂片には長い毛があり、萼片の基部には付属体がありますが、イワギキョウにはそのいずれも無いところが判定材料となります。
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登山道のすぐ脇の細かい岩がザレた場所に、イワギキョウの青紫色の花がたくさん集まって咲いています。岩だらけの場所に、鮮やかなコントラストを付けているような状況で、とても良く目立ちます。なかなか見応えがあるなと、感心しながらシャッターを押しました。
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by coffeeto2 | 2013-08-30 18:00 | 高山植物
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