山で見た山野草@黒川鶏冠山

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野鳥観察を目的にして都内からプチ遠征してきましたが、お目当ての野鳥の写真撮影もできたので、その翌日は柳沢峠から”ぶなのみち”を抜けて、黒川鶏冠山(標高1,718m)に登ってきました。その概要については前々回に紹介させていただきました。そして前回は、その途中で観察することができたスミレの仲間を紹介させていただいた訳ですが、今回はその他の山野草を紹介してみたいと思います。
最初は、亜高山帯から高山帯にかけて分布するイワカガミです。春から初夏にかけて山歩きをすると、このピンク色をした可愛い花が目を楽しませてくれます。中には白い花のイワカガミもありますが、何と言ってもピンク色が一番似合う花であると思います。
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イワカガミは、丸くて光沢のある葉が特徴です。花が咲いていなくても、この葉の形を見るとイワカガミがあるとすぐに分かります。
また、花冠は先が5片に別れ、各花片の縁は細かく裂けるということです。ここのイワカガミはまだ咲き始めて間がありませんが、この花を見ると、そんな様子がよく分かります。
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この日柳沢峠から鶏冠山の山頂まで歩いている間、イワカガミを見ることはありませんでした。でも、鶏冠神社から見渡す雄大な展望を楽しもうと足を伸ばしたところ、祠の裏側にイワカガミの小群落を見つけることができたのです。思わぬところで発見することができて、見つけたときの嬉しさもひときわ大きなものになりました。
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ここのイワカガミは、まだ咲き始めたばかりのようで、このような蕾がたくさん見られました。この日のお天気は雨が降るという予報でしたから、降られる前に登ってこようと早朝の出発にしたのですが、予報は良い方に外れて、お日様さんさんの上天気になりました。
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これは、ナデシコ科のヒゲネワチガイソウです。”ぶなのみち”に続く梅ノ木尾根を抜けて、六本木峠に至る間の登山道で撮影したものですが、この日歩いたコースでは、ところどころで群落を作っているのを観察することができました。
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ヒゲネワチガイソウの花弁は5枚で、雄しべの葯は暗赤色をしています。この葯の色は、明るい赤色をしているものから黒褐色に近いものまで、いろいろなバリエーションがありました。この花のものは、色合いが割合黒っぽいものになると思います。
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ヒゲネワチガイソウは高さ20cmほどの可愛い山野草ですが、花茎を高く立ててその先端に花を咲かせます。葉は、茎の中ほど以下ですから、写真に撮影するのが難しいのです。基本的に花の部分にピントを合わせて撮影するのですが、そうすると葉の部分がボケて良く見えません。真横から撮影すると花がうまく写せなかったりして、どうやって撮影すればよいのか悩ませてくれます。
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いろいろ悩んだ末に、思い切って真上から写してみました。こうすると、赤い雄しべの葯が白い花弁を背景に、とてもよく目立ちます。まるで、ショートケーキの上にイチゴが載っているように見えてしまいます。(....と思うのは、私だけでしょうか?)
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登山道の脇には、こんなに可愛い花も咲いていました。とても小さい花で、高さは10~15cmほどでした。これは、亜高山帯から高山にかけて咲く、ヒメイチゲの花です。とても小さい花ですから、ウッカリすると見落としてしまいそうな、とても可憐な姿です。
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ヒメイチゲは、キンポウゲ科の山野草です。同じ仲間にはアズマイチゲやキクザキイチゲなどがあります。いずれも立派な容姿の花を咲かせますが、この花はそれらに比べると、とてもたおやかな姿をしていると思います。
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この花も、花茎の上に一輪だけ花をつけますから、写真に撮るのが難しいです。カメラを構える位置をいろいろと変えて撮影してみたのですが、やや斜め上から構えてみたこの構図が、しっとりとした雰囲気とたおやかな姿を表現してくれたと思います。
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どうですかこの花姿は....5枚の花弁を開きながら、細い葉を左右対称に広げています....私には、バレーのプリマドンナの可憐な姿に見えてきます。
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さて、これは何でしょう?花を咲かせていたヒメイチゲの小群落から、そんなに離れていない場所で見つけました。花の終わったヒメイチゲの、実が膨らんできたものでしょうか?葉が3分裂するのは同じように見えるのですが、幅が広く丸っこい感じです。
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茎の先端に、ほんの数ミリの白くて小さい花をたくさんつけたこの花は、東京周辺でも春先の3月頃に観察することができるセントウソウです。ここは、標高が高いですから、5月中旬ですが花を咲かせていました。
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セントウソウは、セリ科の山野草です。葉を見ると大きく欠刻のある、セリの仲間の独特の形をしていることがわかります。
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白い花が群落を作っていました。3枚の葉を形良く並べている、里でも良く見るカタバミの葉とそっくりです。でも、花の色は黄色ではなく白いですから、ミヤマカタバミの仲間になると思います。
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この花は、5枚の花弁の基部に黄色い斑がありますから、コミヤマカタバミになると思います。
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苔むした登山道の、あちらにもこちらにも、白くて可愛い花が咲いていました。これがみんなコミヤマカタバミだったのです。白い花弁には赤紫色の条線が入っていて、気品のある容姿であると思えました。
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この日は、雨を避けるため早々に朝食を済ませ、午前6時前には歩き始めたわけですが、予報に反してよいお天気になりました。
朝方ここを通った時には、コミヤマカタバミの花はみんな固く花を閉じていましたが、昼過ぎに同じ道を戻ってきた時には、このように一斉に花を広げてくれていました。
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燦々と降り注ぐ日の光を浴びて、眩しそうに目を覚ましたコミヤマカタバミが、さあこれから葉も広げて一日の活動の始まりだとばかりに、輝いているようでした。
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コミヤマカタバミは、花の色は白からピンク色までのバリエーションがあるようです。また、ミヤマカタバミに比べると少し小さいところが特徴であるようです。
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この日観察したコミヤマカタバミは、そのほとんどが梅ノ木尾根から六本木峠の間の山道の周辺で見られたと思います。スミレの花はかなり広範囲に見られましたが、コミヤマカタバミは群落性が強いように見えました。
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by coffeeto2 | 2013-06-04 18:00 | 山野草
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