山の仲間と一緒に登った奥多摩の鷹ノ巣山は、まだ冬景色が強く、花はほとんど見られませんでした。それで、次は花のたくさん咲いている山に登ろうと、4月20日(土)に秩父の日向山~丸山を回るコースを歩いてきました。当日は、西武秩父線の駅前に車を停めて、山の花道を経由して日向山へ登るコースを辿りました。山道を歩き始めると、間もなくこの道しるべが迎えてくれました。
黄色い色がとても目立つこの花はミツバツチグリです。バラ科のキジムシロの仲間ですが、キジムシロの小葉は5~9枚つきますが、ミツバツチグリの葉は3枚です。
続いて観察できたのはチゴユリです。高さ20cmくらいの花茎に、下向きの可愛い花をつけていました。
チゴユリは、小さくてかわいい花を付けますから、ユリの仲間のなかでも子供に見立ててこの名前が付けられたと思いまうす。
図鑑で見るとゴユリの花被片は6個であるとされていますが、この花には5枚にしか見えません。
山道のいたるところで観察できたのは、この薄紫の花弁を持ったタチツボスミレです。葉の形がハート形をしているところも特徴です。
花茎が赤紫色をしているナツトウダイです。名前に夏とついていますが、春先の早い時期に咲きます。
中央にオレンジ色に見える小さい花がナツトウダイの花ですが、その脇からまた花茎を2本出して同じように花をつけている面白い形をしています。
間もなく、道端にマムシグサを見つけました。今回の山歩きでは、あちらこちらでマムシグサを観察することができました。同じ仲間のミミガタテンナンショウとは識別が難しいと思追います。
続いて観察することができたのは、このマルバスミレの花株です。花弁の内側には、毛が生えているのが分かりますが、中には毛のないものもあるとのことですから、これだけで識別することはできません。
マルバスミレ葉の形が丸いところで、同じ仲間のヒカゲスミレと区別することができます。
低木に、ラッパ状の白い花がたくさんついていました。スイカズラ科のツクバネウツギです。白い花弁のうち、下唇と呼ばれる一番下の花弁の内側には、橙色の網状紋があります。
芦ヶ久保駅から日向山に向かって山道を登ってきたところ、この「山の花道」の看板がありました。山野草の咲いている場所についても表示されています。こんな看板を見ると、ワクワクしてきます。
山の花道に取り付く直前の果樹園の中に、リンゴの花がたくさん咲いていました。蕾のうちはピンク色をしていますが、花が開くと花弁は白いところが良いコントラストになっています。
あしがくぼの果樹園の向こうに見えるのが、秩父の盟主である武甲山のどっしりした山容です。
ジュウニヒトエの花を見つけました。図鑑を見ると、花が幾重にも重なって咲く様子を昔の女官の衣装に見立てたものということです。
こちらは、2本の花茎を立てているジュウニヒトエです。唇形の花をつけるシソ科の山野草です。
薄いピンク色の花をつけていたのはセンボンヤリです。すぐ脇に、昨年のセンボンヤリの枯れた茎が5本も残っていました。
これは、モミジイチゴの花です。茎に沿って、同じような花を並べて付けているのが面白いですね。
山道を歩いていると、地面で採餌していた鳥がツツジの木に飛び上がりました。直ぐにカメラを向けてみると、そこには過眼線と顎線が黒いホオジロの♂が留まっていました。
暫く観察していると、このホオジロ♂は、近くの冬枯れた低木に飛び移りました。ホオジロは留鳥として、1年を通して観察できる小鳥です。
くちばしが銀灰色であるところから、まだ冬羽の個体であると思います。
春先の林床に、花茎だけを立てていたのはアケボノスミレです。ピンク色の割合大きめの花を付けます。
こちらは、すでに葉が大きく展開していたアケボノスミレです。
登山道の脇にはカキドオシの可愛い花も観察できました。
ここに咲いていたタンポポの花は、総苞片が広がらないカントウタンポポでした。
山の花道から見た武甲山の勇姿です。丹沢の盟主ですから、とても存在感があります。まさに、威風堂々と言ったところでしょうか。