3月最初の週末は、日曜日にお世話になった方のお別れの会にがありましたから、その前日の土曜日に山歩きを楽しんできました。今回は、西武秩父線の正丸駅から正丸峠を経由して伊豆ヶ岳に登り、子の権現にお参りして吾野駅へ降りてくるというコースを選びました。この日の経路は約13.7キロメートルで、所要時間は7時間30分ほどでした。
これは、正丸峠から遠望できた奥多摩の山々の墨絵のようなシルエットです。
家を出た時はまだ暗くて、始発から2番目か3番目の電車に乗ったのですが、正丸駅をスタートできたのは、午前8時少し前のことでした。
正丸峠へと山道をたどると、間もなくこの馬頭様の祠がありました。すぐ脇には大きな岩があります。その奥へと続く道は今回の経路ではありません。
いよいよ山道へと入ってきましたが、スギ林越しにとても大きな岩が山肌に顔を覗かせていました。
谷川筋の丸木橋を渡り、ぐんぐん高度を上げていきます。でも、この谷筋の道は、登るに連れてかなり荒れていました。
正丸峠直下の階段ですが、先日降った雪が凍り付いていて、ツルッツルの難所を作っていました。階段部分だけが氷雪で覆われて、登り切ったら雪は全くありませんでしたが、ここで慌てず、持参したチェーンアイゼンを装着しました。簡単に付け外しができますから、大変便利な山登り道具です。
何のことはない正丸峠の標識です。道路のすぐ脇に立っていました。
正丸峠から見えた秩父の山並みです。残念ながら、正確に山座同定はできません。
伊豆ヶ岳へ向かう山道は、日陰部分のところどころにまだ雪が残っていました。
正丸峠から関東ふれあいの道を進むと、間もなくこの小高山(標高720m)に到着しました。
武川岳から大持山に連なる山並みでしょうか?秩父の山並みは、まだまだ未踏の山ばかりですから、見ているだけでも気持ちがそそられます。
長岩峠という標識がありましたが、ちょうどこの辺りが正丸峠と伊豆ヶ岳の中間点くらいでしょうか?
さてさて、伊豆ヶ岳に至る名所?の男坂に到着しました。落石注意の看板が立っていて、ロープが張ってあります。奥の方には厳しい岩肌が望めますが、私の技術と体力では到底登ることはできないと、諦めて女坂を登ることにしました。
こちらはすぐ脇にあった女坂へ至る経路です。この程度の道であれば、私でも安心して進むことができます。
木々に囲まれた彼方に、伊豆ヶ岳山頂の標識が見えてきました。ここまで来ればわけもありません。自然に脚が早まります。
伊豆ヶ岳山頂から見た奥秩父の山並みです。大持山、子持山とその奥の方には武甲山も見えているはずです。(と言いながら、私にはどれだどれだかよく分かりません....)
ここが、伊豆ヶ岳(標高851m)の山頂です。意外と狭くて、木々に覆われていますから、周囲の眺望もあまりよくありません。
山頂の岩肌には、こんな石の標識も建っていました。
伊豆ヶ岳の山頂から、望遠レンズで撮影した奥秩父の山並みです。中央の一番奥に見える尖った山がたぶん武甲山だと思います。
伊豆ヶ岳でしばしの休憩をを取った後、次の目的地である子の権現を目指します。最初に到着したピークはここ古御岳(標高830m)です。
山頂には、東屋と数脚のベンチが設置されていました。
尾根道にあった岩岩とその中に生えていた木の造形美です。
こんな風に根っこを絡ませて生えている木もありました。
ここは、馬酔木のトンネルです。周囲はまだまだ冬枯れの山姿ですが、ここだけは緑の葉に覆われていました。
日当たりの良い場所では、既にアセビの花の蕾がたくさんついていました。
間もなく高畑山(標高695m)に到着しました。樹木に囲まれていますから、視界は全く利きません。
この日は、良く晴れていましたが、風がとても強くて寒かったので、どこでお昼をとるかいろいろ思案していました。で、子の権現の建物を風よけにして、日向ぼっこができる場所にしようと思い、ここはそこそこに通過しました。
尾根道は、気持ちの良い杉並木が続きますが、おいおい、ここは倒木が道を塞いでいるぞ。
間もなく、中之瀬の頭(標高622m)に到着しました。ここが、伊豆ヶ岳から子の権現に至る経路のちょうど中間点になるようです。
子の権現に至る手前にあった天目指峠(標高475m)の標識です。
何て読むのか分かりませんでしたが、すぐ下の道路標識のところにAmamezasu Togeという表記がありました。
間もなく子の権現ですが、途中の山道から遠く墨絵のような奥多摩の山並みを望むことができました。
子の権現に到着しました。朱塗りの柱に囲われた、立派な本堂です。狛犬の脇に立っている美和観世音のすぐ横に、ロウバイの花も咲いていました。
子の権現の有名な金の大草鞋と、そのすぐ脇にある紅白の大きな下駄のモニュメントです。
子の権現の鐘撞き堂の先に、東京スカイツリーが望める展望台がありました。残念ながら霞んでいて、スカイツリーを見ることはできませんでした。依然として強風が吹き荒れていましたから、鐘撞き堂のすぐ脇の釈迦堂を風よけにして、日向ぼっこしながら昼食をとりました。
これは、子の権現の境内から望むことができた奥多摩の山並みですが、中央の奥に見えるのが大岳山になると思われます。
子の権現を下り始めたところ、参道に大きな仁王像が立っていました。
大分下ってきたところで、朱塗りの昔ながらの橋がありました。すぐ脇に立っている石板には降魔橋とい刻まれています。その昔、信者の人は汗をかきながら、ここを登って行ったのでしょうね。
浅見茶屋の建物がありました。昔は本当に山の中の茶屋であったのでしょうが、今はアンティークな喫茶店といった風情の建物でした。
山道を下ってきたところで、すぐ脇の日溜まりにフクジュソウが黄色い花を咲かせていました。季節は間違いなく春へと移りつつありますね。
坂石の集落まで降りてきたところで、道路のすぐ脇にクロジを見つけました。足を停めて観察していると、道路に出てきて一生懸命に餌探しを始めました。
このクロジ君は、あまり警戒心がありません。私がすぐ近くまで接近して写真を撮っているのに、まったく動ずる様子もなく撮影させてくれました。
吾野駅を目前にして、振り返ると集落の向こう側に山並みが映えていました。この日歩いてきた山ではありませんが、思い出に残る記念として撮影してきました。